蔵元インタビュー 鳳鳴酒造株式会社 西尾和磨

杜氏と蔵元の関係 蔵にとって杜氏とは

 

200年以上酒蔵として造り続けてますけども、やはりその蔵としての伝統、味というものがずっと継承されていますので、それを杜氏さんと一緒に受け継いでいく、常にその鳳鳴というお酒を一定のものにするというのが杜氏と我々との連携で生まれてくるものだと思っています。

また、酒蔵にとって酒造りが一番大きな使命だとおもいます。もちろんできたお酒を売っていき、販売するというのも大きなところにあるんですが、一番最初一番大事なのは「造る」という部分が一番大事なので、その部分を担うのは杜氏で、ですから我々、会社、蔵にとってなくてはならない存在です。そして私たちの蔵を象徴するものであると考えています。

杜氏の技術を感じる時

 

季節によって、ものすごく暑い年があったり、すごく寒い年があったり、お酒造りにとっては非常に厳しい環境の年があります。その中でも伝統の味を守り継いで毎年同じお酒を造っていく、この技術は本当に尊敬すべき部分だといつも思っています。

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モーツァルトの曲を聴かせたお酒

 

音楽をかけているのが、ただしいかというと、そうではなくて、音楽の振動を与えながら醸造しているというのが正しい言い方になります。 いわゆる音楽の振動でタンクごと震わせながら造っていくという作りかたであって、振動させることによってお酒の細胞が物凄く細かくなってそのことによってお酒がものすごくマイルドになる、これが一番の特徴だと思います。

たまたま、先先代の社長が音楽をしていまして、音楽をなにか取り入れるようなことをできないかと色々調査をした結果こういう造りができるんじゃないかと調べまして、そこからこの造り方がおもしろいと非常に夢があるということで採用をさせていただいています。
同じ純米吟醸であっても音楽を与えた純米吟醸と音楽を与えていない純米吟醸どちらも造っているのですが、これを飲み比べたときに明らかに音楽を与えたほうがマイルドですっと入っていく飲みやすいです。これがお客様にとっては非常に実感できる部分ではないかと思います。

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地酒の在り方

 

料理を引き立てる役目としてのお酒の存在というものが大きいと思います。
地元産の原料をほぼ使っているということ、そして地元の食材と合わせて飲むと本当においしさが引き立つというところ。 あとは地元の文化とか伝統とかなどを一緒にからめた営業活動なり会社としての生き方をしているというそこが地酒としての存在価値があるんじゃないかなと思います。

酒造りを担う若い世代に対して

 

いまはもう杜氏になる方が非常少なく、現状ものすごく高齢化をしている中でそういう若い方が杜氏になりたいと思っていただけることが非常にありがたいことだなと思います。 杜氏の仕事は本当に厳しい部分がたくさんあって、伝統的なものもいっぱいありますのでその辺をクリアして、是非がんばって続けていただければと思います。

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